園芸という言葉を聞いたことがある方は多いと思います.園芸って農業の一部でしょ, ていうなんとなくなイメージは持たれているかもしれません. が, はっきりとした定義や特徴までわかっている方は少ないのではないでしょうか.
園芸と農業ってどう違うの? みたいな.
この記事は, 園芸の歴史についてまとめてあります.
コチラも参考にしてください.
発展の歴史
園芸作物の起源
- 栽培植物の起源に関する議論は, 1800 年代から盛んに
- Darwin『種の起源』( 1867 ) , Da Candolle『栽培植物の起源』( 1883 )
- Darwin と Da Candolle は, 野生植物と栽培植物が連続していることを明らかにした
Vavilov
- 「遺伝子中心説」を唱える ( 1928 )
- 栽培食物の起源や地理的中心地を推定. 8 大中心地を定めた
中国 | 世界で最も古く, 大きな起源の中心地 | ハクサイなど n = 10 のブラシカ類, ダイズ, ネギ, ゴボウ, ワサビ, ハス, クワイ, ウド, タケノコ, ヤマイモ, ナシ, アンズ, クリ, クルミ, カキ, ビワ など |
インド | 中国と並んでかなり古い中心地 | キュウリ, ナス, ナタマメ, サトイモ など |
インド, マレー |
マレー, ジャワ, フィリピンを含む地域で寝たい作物の重要な中心地 | ショウガ, ミョウガ, トウガン, バナナ など |
中央アジア | シルクロードの経路で, 東西に分布していくコムギをはじめとする重要作物の中心地. | ダイコン, ニンジン, タマネギ, ホウレンソウ, ソラマメ, ヒヨコマメ, カラシナ, アーモンド, ナツメ, リンゴ, ブドウ など |
近東 | 中央アジアとともに重要な中心地 | メロン類, ニンジン, レタス, リンゴ, オウトウ, ブドウ, クルミ, イチジク, ザクロなど |
地中海岸 | 東の中国に対し, ここを中心地としている蔬菜が多い | エンドウ, キャベツ類, アスパラガス, パセリ, セロリー, オリーブなど |
アビシニア | 地中海岸とともに重要な中心地 | ササゲ, オクラ, スイカ など |
メキシコ南部, 中央アメリカ |
アメリカ大陸ではかなり大きな中心地 | トウモロコシ, インゲンマメ, ニホンカボチャ, サツマイモ, シシトウガラシ, パパイヤ, アボカド, カシューナッツ など |
ペルー, エクアドル, ボリビア |
アンデス山系地域では種類の多い中心地 | ジャガイモ, トマト, トウガラシ, セイヨウカボチャ, ラッカセイ など |
チリ | イチゴ など | |
ブラジル, パラグアイ |
パイナップル など |
日本の園芸の発達
- 日本の農耕文化の始まりは, 弥生時代の稲作文化の渡来から
- 稲作農耕に伴って, 山野に自生する植物を採集して食用にしていた古代の人たちが, 園芸作物も栽培していたと考えられる
- 日本を原産にする園芸作物はわずか
縄文・弥生時代から奈良・平安時代にかけて園芸作物として利用されていたと思われる園芸作物
- 国産が多い
- 果樹・・・ニホンナシ, ニホングリ など
- 蔬菜・・・フキ, セリ, ウド, アサツキ, ミョウガ, クログワイ, ハス など
- 花卉・・・サクラ, ウメ, ハギ, ヤマブキ, タチバナ, アジサイ, ノイバラ など
- 渡来種・・・カンキツ類, ダイコン, カブ, ニンニク, シソ, ラッキョウ, シロウリ, ナス, キュウリ, ササゲ, ニラ, レタス, エンドウ, キク, ボタン など
奈良・平安 〜 鎌倉時代
- 中国大陸の文化が盛んに輸入される
- ブドウ, アンズ, ウメ, ザクロ, カキなどの果樹類が伝来
鎌倉, 室町, 桃山時代
- カボチャ, トウモロコシ, ジャガイモ
17 〜 18 世紀
- 江戸時代の農業において園芸が定着した
- 東京の神田市場, 大阪の天満市場の前身の始まり ( 17 世紀初頭 )
- 奈良のカキ, 山梨のブドウ, 京都伏見のモモ, 新潟越後のナシ, 丹波のクリ, 紀州のミカンなどが産地として有名に
明治時代
- 明治元年 ( 1868 ), アメリカより各種の果樹苗木を輸入
- 米国ブドウ, 中国中部系モモ, リンゴ, オウトウなどが日本の風土に定着