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エピジェネティックな発現制御

街のお花屋さんでは、メリクロン培養した園芸植物、いわゆるクローン花が出回っています。ランなどの高級花もこのメリクロン培養で大量生産できるようになって、以前に比べれば購入しやすい価格になりました。店先に並べられた植物をよく見るとクローンにもかかわらず、1 つ 1 つ株ごとに若干の個性がありますね。全く同じ遺伝子を持っていることを知っていても、気に入った花を選ぶことになるのではないでしょうか。

[目次]

エピジェネティック遺伝とは

どういうことかというと、これは、遺伝子の塩基配列が同じでも、遺伝子発現が調節される場合があるということを意味しています。このような調節は DNA のメチル化やヒストンの化学修飾などクロマチンへの修飾によるもので、DNA塩基配列の変化を伴わずに将来の世代に伝えられることがあります。DNA 塩基配列の変化を伴わずに将来の世代に伝えられる伝達をエビジェネティック (後世的) 遺伝といいます。

 

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DNA メチル化

大部分の動物や植物では、DNAが合成された後に、特定の塩基へメチル基が付加されることがあります。DNA 複製時には正常な非修飾型のシトシンが取り込まれますが、その後に DNA メチラーゼという酵素によってシトシン塩基の 5 番目の炭素原子がメチル基 (CH3) で修飾されるのです。多くの真核生物ではゲノム中の CpG サイト (CG に富む領域。p はポリヌクレオチド骨格のリン酸のこと) の 60 〜 90 %がメチル化を受けていて、一度生じた DNA メチル化の状態は細胞の増殖に伴ってエピジェネティックな発現抑制として受け継がれます。CpG サイトはゲノム中の割合としては多くありませんが、遺伝子のプロモーター領域近傍に多く見られ (CpG アイランド)、普通の遺伝子の場合はメチル化されておらず発現可能です。異なる組織の同一の遺伝子を比較すると、通常は発現していない細胞の遺伝子の方が高度にメチル化されています。さらに、余分なメチル基を除去することでこの遺伝子を働かせることも可能です。

ヒストンアセチル化

一方、遺伝子が転写発現する際にクロマチン構造が弛緩するためには、ヌクレオソームから部分的に突き出したヒストンテールのアセチル化が影響しています。

 

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ヒストンテールの正電荷を帯びたリジンにアセチル基 (-COOCH3) が結合することによって、ヒストンの正電荷が中和されてヌクレオソーム同士が結合できなくなり、クロマチンの凝縮したコンパクトな構造が保てなくなります。その結果クロマチンが緩んだ状態になって、転写因子などが結合しやすくなります。ヒストンアセチル化酵素クロマチンを脱凝縮されるだけでなく、プロモーター領域とも連動して転写因子と結合するなど転写開始の促進にも関わっています。ヒストンテールは、他にも何種類かの化学修飾を受けます。アセチル化とは逆に、ヒストンテールにメチル基が付加するメチル化が起こるとクロマチンの凝縮が促進されます。

 


DNAのメチル化はエピジェネティック修飾を維持するための化学修飾で、ヒストン修飾は環境変化に応じて素早く対応するための化学修飾であるといえます。ヒト ES 細胞ではヒストン修飾の性質をうまく利用していますし、植物では、光環境の変化に伴って、開花遺伝子が相互にエビジェネティックな作用を受け、開花が調節されていることが示唆されていて、これもヒストン就職が関与しています。

 


 

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