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栽培植物の起源

栽培植物は、野生植物のように自然環境のもとで進化してきたのではなく、人類との関わり合いのもとで野生生物から進化した、と考えられています。

[目次]

栽培種の成立と特徴

ヒトと栽培植物の共生関係

民族植物学的観点から阪本寧男 (1930-) は、栽培植物の起源は植物とヒトとの間の、ある意味での共生関係の成立過程として捉えています。すなわち、ヒトは食料のほとんどを栽培植物に依存しているのですが、逆に植物はヒトの手で播かれ、栽培され、収穫されなければならないということですね。このような意味で、栽培植物と人は相互に依存しあっていて、共生関係にあると言えるのです。

一次作物、二次作物

野生生物から直接栽培化された作物を一次作物といいます。イネ、コムギ、トウモロコシ、ダイズ、ワタなどが一次作物です。

一次作物の随伴雑草から栽培化された作物を二次作物といいます。二次作物としてはライ麦エンバクが知られています。ライムギコムギやオオムギ畑の雑草として生育していた時に、突然変異で非脱落生の種子を生じ、それらの種子とともに収穫されて再び播かれ、栽培種が成立したと言われています。

栽培種の成立

栽培種が成立するためには、野生種の形質において次のような変化が起こらなければなりません。

  • 種子の非脱粒性 (非脱落性): 栽培日の最も重要な形質
  • 種子の非休眠性

 

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  • 有性生殖様式の他殖性から自殖性への変化
  • 多年生から一年生への変化
  • 不稔性
  • 生育の均一性 (収穫期の一致)

栽培植物の起源中心

多様な栽培植物は世界のどこで誕生したのでしょうか。


1893 年に A. ド・カンドルが『栽培植物の起源』を出版して以来、多くの研究者によって栽培植物の起源の問題は論じられてきました。

起源中心

ロシアの植物遺伝学者である N. バビロフは、遺伝資源の重要性を認識していて、世界各地の植物の調査採集旅行に出かけ、膨大な種子コレクションを完成させました。調査旅行の経験とコレクションの結果から、バビロフは、遺伝的多様性が高い地域はその作物の発祥の中心地であると考えました。この考えに基づき、栽培植物の起源について体系的にまとめ「起源中心」を提唱しました。現在、栽培植物の起源中心は8つの時期にまとめられています。

バビロフによる栽培植物の 8 大原生中心地

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1. 中国 (中央および西部tの山岳地帯とその周辺の低地): ダイズ、ソバ、モモ、アズキ
2a. インド (北西インド、パンジャブを除く地域。ただしアッサムとビルマは含む): イネ、ナス、キュウリ、ゴマ、サトイモ、マンゴー
2b. インド-マレー (マレー半島、ジャワ、ボルネオ、スマトラ、フィリピンおよびインドシナ): バナナ、サトウキビ、ココヤシ、パンノキ
3. 中央アジア (パンジャブカシミールを含む北西インド、アフガニスタンタジキスタンウズベキスタン、および天山山脈の西部): ソラマメ、タマネギ、リンゴ、ブドウ、ニンニク
4. 中近東 (小アジア、トランスコーカサス、イラン及びカスピ海東方山岳地帯): オオムギ、コムギ、エンバク、ニンジン
5. 地中海地域: エンドウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、オリーブ
6. アビシニア (エリトリア高原を含む): オクラ、コーヒー、アマ
7. 南部メキシコ・中米 (西インド諸島を含む): トウモロコシ、サツマイモ、インゲンマメ
8a. 南米 (ペルー、エクアドルボリビア): ジャガイモ、ワタ、トマト、ラッカセイ、タバコ
8b. チリのチロエ島: イチゴ
8c. ブラジル-パラグアイ: パイナップル

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