高知と農業、あと哲学とか

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簿記の基本

[目次]

資産・負債・資本と貸借対照表

資産と負債

簿記では、経営が所有している金銭や物、および将来に支払いを受ける権利である債権を合わせて「資産」と言います。例えば、現金・預金・売掛金・貸付金・大農具・建物・土地などが資産です。資産は、日常用語では、財産などということがあります。

資産を手に入れるときには、自分の資金のほかに、他人からの借入金などを使うことがあります。このような将来支払わなければならない義務である債務のことを、負債といいます。

簿記では、資産と負債と合わせて財産ということがあります。資産はプラスの財産で積極財産、負債はマイナスの財産で消極財産ともいいます。

負債には例えば、買掛金や借入金等があります。

資本

簿記における資本とは、経営に自分が出資した金額、すなわち経営の純財産 (自己資本ともいう) のことで、資産の金額合計から負債( 他人資本ともいう) の金額合計を差し引いて求められます。

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  • 資産 - 負債 = 資本 ・・・ 資産等式

貸借対照表

資本等式の形を変えると、次の式になります。

この式の順序に従って、一定時点における資産・負債・資本の状態 (財政状態あるいは財産状態という) を表した表が貸借対照表 (Balance Sheet、略して B/S) です。

貸借対照表は、左側 (借方) には資産の内容と金額が、右側(貸方)には負債・資本の内容と金額が記入されます。そして、借方の合計と貸方の合計とか一致するようになっています。貸借対照表には、必ず経営の名称と決算年月日を記入します。

では例にならって、実際に、貸借対照表を作ってみましょう。

いろは農場の令和 ○ 年 1 月 1 日の財産を調べたところ、次の通りでした。貸借対照表を作ってみましょう。

  • 資産: 現金 ¥ 600,000、大農具 ¥ 2,000,000、建物 ¥ 3,000,000、土地 ¥ 3,500,000、計 ¥ 9,100,000
  • 負債: 借入金 ¥ 2,000,000

これを資本等式、貸借対照表等式に当てはめると、次のようになります。

  • ¥ 9,100,000 円 (資産) − 2,000,000 (負債) = ¥ 7,100,000 (資本) ・・・資本等式
  • ¥ 9,100,000 (資産) = 2,000,000 (負債) + ¥ 7,100,000 (負債) ・・・ 貸借対照表等式

貸借対照表等式にしたがって、貸借対照表は、次の表の通り作成されます。

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この表では、貸方の資本の内容が「資本金」になっていますが、これは出資額を意味します。家族経営の場合、資本は経営主個人の出資と考えられますので、資本金 1 つで表せます。法人経営に場合は、また別の考え方をします。

 

いろは農場の賃借対照表をもう一度みてみましょう。借方は資産の具体的なかたちと金額を示しています。一方、貸方は資産金額の出所が他人資本であるか自己資本であるか、その内訳を示しています。

簿記の記帳を始めるときに作成する賃借対照表を、期首賃借対象表と言います。一定の会計期間 (会計年度) の終わりに作成する賃借対照表を、期末賃借対照表と言います。機種と期末の賃借対照表を比べれば、その会計期間における資産・負債・資本の増減を知り、経営成績の概要を把握できます。

経営成績の概要は、期末資本から期首資本を差し引いて、純損益を求めることで得られます。

  • 期末資本 - 期首資本 = 純損益

純損益がプラスの場合は純利益で、この額が大きければ経営は順調だと言えます。逆にマイナスの場合は純損失で、経営は悪化しています。

借方・貸方について

複式簿記の帳簿は、借方 (左側) と貸方 (右側) から構成されています。記帳は全て、借方・貸方の関係を基本に進めます。左が借方、右が貸方と覚えておきましょう。なお、賃借とは、「借方と貸方」という意味です。

費用、収益と損益計算書

費用と収益

貸借対照表では純損益の金額を求められますが、それがなぜ発生したかは分かりません。純損益の発生原因を知るためには費用と収益についての記録、計算が必要です。

企業とは、経営活動のために資本を減少させることをいいます。収益とは資本を減少させた結果、資本が増加することをいいます。例えば、種苗、肥料、農薬、肥料などを消費すると費用が発生します。その結果、米、麦、野菜、牛乳などを生産、販売すると収益が発生します。費用と収益を合わせて損益といいます。

損益の発生しない資本の減少、増加について

家族経営では、経営と家計とのあいだで、金銭や物のやりとりがしばしば行われます。これらは資本の減少あるいは増加ですが、費用、収益は発生しません。

例えば、在庫の米や大豆を家計で消費した場合、貸借対照表等式が当てはめると、経営の資産 (米や大豆) とともに資本が減少します。しかし、この場合の資本の減少は、米や大豆の生産、販売のためではなく、経営から家計や資本を引き出したことによるものです。ですので費用は発生しません。

逆に、生活用の資金で乳牛を購入した場合、経営の資産 (乳牛) と資本が増加します。この場合の資本の増加は、牛乳などの生産、販売によるものではなく、家計から経営の出資によるもので、収益は発生しません。

損益計算書

収益から費用を差し引くと、次のように純損益が求められます。

  • 収益−費用=純損益

収益と費用から純損益を計算する方法を損益法といいます。

既に学んだ財産法による純損益、損益法による純損益は、計算に誤りがない限り一致します。この2つの計算法が同時にできる働きのことを簿記の自己監査機能といいます。複式簿記の優れた特徴ですね。

純損益は純利益(または純損失)として、上の式の順序を変えると、次のように表すことができます。

  • 費用+純利益=収益・・・損益計算書等式 (または費用=収益+純損失)

損益計算書等式に従って、一定期間内の収益と費用の明細を表示し、純損益を求めた計算書が、損益計算書 (Income Statement、または Profit and Loss Statement、略して P/L) です。

いろは農場の令和◯年1月1日から12月31日までの1年間における収益、費用が次のようでした。損益計算書を作ってみましょう。

  • 収益: 野菜収益6,000,000円
  • 費用: 種苗費 300,000円、肥料費500,000円、農薬費300,000円、小農具費: 900,000円、諸材料費400,000円、雇人費: 400,000円、賃借料450,000円、減価償却費 350,000円, 計 3,600,000 円

これを損益法に当てはめて純損益を求め、さらに損益計算書等式に当てはめると次の通り。

  • ¥6,000,000 (収益) - ¥3,600,000 (費用) = ¥ 2,400,000 (純損益 (純利益))・・・損益法
  • ¥3,600,000 (費用) + ¥ 2,400,000 (純利益) = ¥ 6,000,000 (収益)・・・損益計算書等式

損益計算書等式に従って、損益計算書が次のように作成されます。

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損益計算書の借り方には費用の内容と金額、それに純利益が記入され、貸方には収益の内容と金額が記入されます。純損失が生じたときは、貸方に記入されます。純利益・純損失とも赤字で書くことになっていますが、印刷物やコンピューターから出力した場合などは、黒字で書かれることが多いです。損益計算書には、経営の名称と会計期間を記入します。

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