オーキシンは植物ホルモンの 1 つで、
伸長成長の促進、花器官の形成、胚発生、根と維管束の分化などの器官形成の促進、頂芽優勢の維持などといった生理作用があることが知られています。花卉園芸では、発根促進や花茎の伸長促進のために使用されます。
【目次】
主要なオーキシン
高等植物から発見されているオーキシンとしては、インドール 3-酢酸 (IAA)、4-クロロインドール-3-酢酸 (4-Cl-IAA)、インドール-3-酪酸 (IBA) が発見されています。このうち IAA が、多くの植物で豊富に発見される主要なオーキシンです。
オーキシン剤
オーキシン剤として使用されるのは、IBA や α-ナフチルアセトアミドなどです。IAA は光によって容易に分解されるためです。代表的なオーキシン剤はインドール酪酸剤で、カーネーション、キク、ツツジ、観葉植物など多くの花卉の挿木のは根促進、根数増加に高い効果があります。
インドール酪酸液剤
カーネーション、キク、ツツジ類、その他の花卉類、観葉植物で、挿木の発根促進および発生根数の増加といった目的で使用されます。
また、チューリップでは、花茎基部の伸長の目的で使用されます。
1-ナフチルアセトアミド剤
キク、ゼラニウムで、挿木の発根促進を目的として使用されます。
生合成
IAA は、インドール-3-ピルビン酸経路、トリプタミン経路、インドール-3-アセトアミド経路の 3 つの生合成経路があります。これらの生合成経路の出発物質は、いずれもトリプトファンです。ただ、経路の詳細については譜面な点が多く残されています。