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農業簿記における勘定科目と元帳

農業簿記における勘定科目と元帳についてみていきましょう。

[目次]

勘定と勘定科目

複式簿記では、資産・負債・資本・収益・費用の変動を記帳して経営成績及び財政状態を明らかにします。その場合、資産・負債などをさらに細かく区分して扱います。この区分のことを勘定(Account、略してa/c) と言って、勘定に付けた名称を勘定科目(科目)といいます。

勘定科目を決める際には、経営の種類や規模を考え、さらには経営分析にとってどんな資料が必要であるかを考えて決めます。

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勘定口座と元帳

勘定科目ごとの記録をする帳簿上の場所を勘定口座といいます。そして、すべての感情口座を集めた情報のことを元帳または総勘定元帳といいます。

勘定口座の様式には、標準色と残高色とがあります。標準色は、中央から左右に借方欄と貸方欄とに区分されています。残高式は、借方・貸方欄のほかに差引残高欄があって、常に現在高がわかるようになっています。

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勘定口座は、学習用には、簡略化したT字形の様式がよく用いられます。

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勘定口座の記入方法

勘定口座に金額を記入する場合、その勘定科目が資産・負債・資本・収益・費用のいずれかの勘定に属するかによって、次のような原則が決まっています。

  • 1. 資産の増加は借方に、減少は貸方に記入する
  • 2. 負債の増加が貸方に、減少は借方に記入する
  • 3. 資本の増加は貸方に、減少は借方に記入する
  • 4. 収益の発生は貸方に記入する
  • 5. 費用の発生は借方に記入する

この原則は、資産・負債・資本の勘定は貸借対照法の記入方法、収益・費用の勘定は損益計算書の記入方法に従って記入するということです。5つの記入原則を T 字型の様式を使って示すと次のようになります。

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では、次の例を考えてみましょう。

令和農場の次の経営活動について、元帳の勘定口座に記入してみましょう。

  • 4月1日 現金 ¥100,000 を出資して経営を開始した。
  • 2日 現金 ¥50,000 を借り入れた。

この例では、4月1日の出資では、現金と言う資産が増加し、同時に資本金と言う資本が増加したことになります。現金、資本金の勘定口座の記入は次の通りです。

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4月2日の例では、現金という資産が増加し、同時に借入金という負債が増加しました。そこで、それぞれの勘定口座に次のように記入します。

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では次の例はどうでしょうか

令和農場の費用・収益の発生について元帳の勘定口座に記入してみましょう。

  • 4月3日 野菜種子 ¥2,000 を現金で買った。
  • 7月5日 野菜 ¥30,000 を掛けで販売した。

この場合、4月3日は現金が減少し、その一方で種苗費という費用が発生します。現金の減少が貸方へ記入し、種苗費の発生は損益計算書の記入に従って借方へ記入します。

ちなみに、種子という資産が増加したとも考えられます。ただ、あまり時間をおかずに消費する生産手段については、購入と同時に消費するものとして取り扱うのが普通です。

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また、7月5日は売掛金という資本の増加があり、一方で野菜収益が発生しています。

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