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ゲノム分析の方法

ゲノム分析は、各植物間の類宴会芸や倍数性植物の由来を調べる手段です。主なものとしては、種間雑種の染色体対合に基づく細胞遺伝学的分析方法や、DNA レベルでの分子生物学的方法があります。

[目次]

 

ゲノム分析の方法

細胞遺伝学的なゲノム分析法は、木原らによって、近縁植物のゲノムの相同性や倍数体のゲノム構成などを判定するために使われた方法です。この方法は、コムギおよびエギロプス両属、アベナ属、イネ属、ワタ属、アブラナ属植物に適用され、ゲノム関係の解明に大きな成果をおさめました。ゲノム分析の原理と方法は、下図の通りです。

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ある 2 つの二倍種を交雑して得られた F1 雑種の減数第一分裂中期において、常に X 個のしつっかりと対合した二価染色体が観察された場合、両親には相同なゲノム A があるとします。もし、末端で対合した二価染色体や、部分的に一価染色体が出現した場合は、両親のゲノムは部分的に相同であると判断し、A’ で表します。次に、別の二倍種と交雑したとき、2 X 個の一価染色体を示しまったく対合が見られない場合は、互いに非相同のゲノムであると判定します。一方のゲノムを A とすれば、他方のゲノムを B とし、異なる大文字アルファベットで表します。このようにゲノム構成が判明した二倍種を分析種と呼び、これらを使って未知の二倍種や数倍種のゲノムを分析できるのです。

では、分析種を用いて四倍種のゲノムを解析してみましょう。ある四倍種を A ゲノム種と交雑した 1 において、全部が三価染色体 (X) になるか、あるいは部分的に二価 (XⅡ)と一価 (X) 染色体が混じる場合は、使った四倍種は同質四倍種であることがわかります。別の四倍種を、二倍種 AA と BB と交雑して得られた雑種で、X+ X 、二倍種 CC との間で 3X の染色体構成を示すとすると、この四倍種は AABB のゲノム構成をもっと決定できます。

以上のように交雑によるゲノム分析では、染色体の対合が重要になります。あわせて、形態の比較や雑種の稔性調査も必要です。

DNAによるゲノム分析

DNA レベルでのゲノム分析の方法として、ここではゲノミック in situ ハイプリダイゼーション (GISH) 法を紹介しましょう。染色体標本上において、分析種の全 DNA をプロープとし、倍数種の相同な染色体 DNA と分子雑種を形成させ、その部分を目にみえるようにする方法です。これは染色体彩色 (染色体塗分け法) ともいわれていて、つまり、倍数種の染色体を分析種というクレョンで塗り分けるようというものです。

GISH法の手順は下図の通り。

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調べようとする倍数種の中期染色体標本をつくり、倍数種にゲノムを提供していると推定される分析種から,全 DNA を抽出します。その全 DNA をビオチンで標識し、プロープとして使い、倍数種の染色体 DNA と分子雑種を形成させます。もし倍数種を構成しているゲノムのうち 1 つが分析種と相同であるなら、そのゲノムに所属する染色体は、全体にわたてプロープ DNA と分子雑種を形成することになります。

DNA レベルでは、ほかのゲノムに所属する染色体にも部分的に相同部分があるので雑種形成をすることがありますが、よく洗うことによりその部分を除去することができます。

プロープ DNA と交雑した雑種形成部のみが蛍光を発するようにしてやれば、分析種と相同なゲノム由来の染色体のみを区別することができます。

イネ科植物の染色体では、この祖先二倍種と相当なゲノムを検出した例がいくつか報告されています。

倍数種においてそれを構成しているゲノムが、他の方法により明らかにされている場合、GISH 法は各染色体のそれぞれの所属ゲノムを知るのに非常に有効な方法です。

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