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遺伝性とは何か: 遺伝相関 (育種学を学ぶためのノート (1))

本記事は, 植物育種学を学ぶために作成したノートを, ブログ用に編集したものです.

遺伝相関

  • 遺伝相関は, 形質 A に選抜を加えた場合に, 別な形質 B がそれにともなって変化する相関反応として認識される
  • つまり遺伝相関とは, 2 つの変量の間に遺伝的に関連が現れることである
  • 遺伝相関の成因には, (1) 多面発現, (2) 連鎖, (3) エピスタシス, (4) 生理的必然性, (5) 選抜効果がある

多面発現

  • ある遺伝子 A が 2 つの形質 X と Y を支配することを多面発現という
  • 遺伝相関の最も根本的な原因である.

連鎖

相引と相反

  • 形質 X を支配する遺伝子 A と形質 Y を支配する遺伝子 B が連鎖している場合, 相引ならば AB と ab , 相反ならば Ab と aB の頻度が高くなる
  • したがって X と Y の共分散が大きくなり, 遺伝相関が現れてくる

連鎖タイプの遺伝相関の問題点

  • 組換え型を選抜することによって, 育種上好ましくない相関は打破することができる
  • しかし, 連鎖が密接であると組換え型の得られる確率が低いことが問題である

生理的必然性

  • 形質 X の変化が, 生理的必然性をもって形質 Y の変化にかかわるとき, 遺伝相関が認められる
  • 植物の生長期間の長さは, 生長量と密接な関係をもっている
  • したがって早晩性の変異は草丈やバイオマス, 子実収量など多くの形質と遺伝相関を示す
  • この場合, 遺伝子のレベルで掌握できれば早晩性を支配する遺伝子の多面発現と言える
  • しかしポリジーン的な変異の場合には, 発育生理学的な見地から解析を進めるのが実際的である (晩生の方が, 収量は多い)

生理的必然性の遺伝相関 cf. イネ

  • イネは1株穂数の多い穂数型品種と, 1穂重の重い穂重型品種が分化していて, 1 株穂数と 1 穂重の間には負の遺伝相関が認められる
  • これは, 1 株穂数と 1 穂重の積である収量に上限があるために, 1 株穂数も 1 穂重も大きいような品種は存在しないという生理的必然性によっている
  • さらに選抜によって, 1 株穂数も 1 穂重も小さい低収の品種が捨てられるならば, 1 株穂数と 1 穂重の負の遺伝相関は一段と密接になる

生理的必然性の遺伝相関 cf. テンサイ

  • サトウダイコン (テンサイ) には糖分含有率の高い糖分型の品種と, 根重の大きい根重型の品種がある
  • これは生産されるショ糖の総量に限界があるために, 根重と糖分含有率が負の遺伝相関を示すことによる

選抜効果

  • 雑種集団ではなく, 既存の品種で形質間の相関を調べてみると, ある特定の形質組合せの品種群が選抜, あるいは淘汰されることによって遺伝相関が現れている場合がある

参考文献 

次回はコチラ.

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