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害虫防除のきほん: 病害虫防除の基本的な考え方 (8)

病害虫防除の基本的な考え方, およびその方法を紹介するシリーズ「病害虫防除の基本的な考え方」. 前回は, 農業にとって害虫になるダニ類, センチュウ類について紹介しました.

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最終回の今回は,「害虫防除の基本」がテーマです. 

害虫防除の基本は日頃の観察

害虫の防除は, 基本はまず予防です.

防除は, 栽培をはじめる前の圃場の準備段階から始まります. つまり, あらかじめ害虫を寄せ付けない環境を心がけるのです.

ただ一度, 害虫による被害が発生すると, いつの間にか被害が拡大してしまうことがあります. ですので, 害虫の存在や植物の生育の異変を, 常日頃よく観察し, 害虫が発生するとできるだけ初期・早期に害虫へ対処することが重要です.

ルーペは, ごく小さい害虫や卵を発見するのに非常に便利です.

 

害虫をよせつけない栽培環境は?

害虫を寄せ付けない栽培環境に必要なのは, まず陽当たり風通しの確保です. 植物が丈夫に育てば, 少々の害虫に攻撃されてもそれに抵抗・排除する力が備わる, というわけです.

雑草は大きく生長する前にこまめに除草しましょう. 雑草は, 作物から養水分や陽当たりを横取りするばかりではなく, 害虫にとっては好適なすみかになってしまうからです.

害虫を直接侵入させないためには, 防虫効果の高い資材を利用するのもいいでしょう.

防虫ネット, 寒冷紗, マルチなどは, 害虫の侵入を防ぎ, また雑草を抑えるためにも有用です.

害虫を減らす手段としては, 天敵を利用する方法もあります.

 

たとえば, ある種のテントウムシはアブラムシをエサとして補食します. ですので, 天敵のテントウムシを保護したり増殖させたりすることによって, 結果的にアブラムシの数を減少させることができます (ただ, テントウムシには種類によっては害虫もいます. 天敵による防除はムシのことをよく知らないと難しいと言えます)

害虫発生時の対策

害虫が発生してしまったら, 発生初期の段階であれば, まず害虫を捕まえて足などで踏みつぶすのが効果的です.

ただし, 害虫のなかには人体に害をもたらすものもいますので, 直接踏みつぶすなどで防除する場合は, 手袋やマスクなどを装着し, 害虫を直接触らず, 葉や茎ごと切除して袋などへ入れて処分するようにしましょう.

手作業で除去できないほど害虫による被害が拡大した場合は, 殺虫剤の散布を視野に入れなければなりません. しかし, 殺虫剤の繰り返しの利用は, 抵抗性害虫を増加させてしまいます. また, 天敵も一緒に殺してしまって, 結果的に逆効果になってしまうことがあります. ですので, 殺虫剤の使用は適量にとどめなければなりません.

 

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