園芸作物のなかでも花卉の種類は非常に多い. 園芸化したものだけでも 8,000 種類以上あると言われています. また, 改良された花卉のなかにはきわめて多くの品種があって, バラの品種は 12,000 品種とも言われています.
自然分類
花卉類は, 植物の系統的な類縁関係に基づいて分類すると,
- コケ植物
- シダ植物
- 種子植物
などの門に属しています.
種子植物門は裸子植物と被子植物との 2 つの亜門に分類されますが, 被子植物に属するものが圧倒的に多い.
人為分類
- 一・二年草, 宿根草, 球根, 花木 ・・・ 植物の生育年限と形態的特性に主眼を置く
- 観葉植物・・・茎や葉が鑑賞の中心になっている
- ラン類・・・類縁関係による区分を重視
- サボテン・多肉植物, 水生植物, 食虫植物・・・特殊な生態・形態をもつものとして
一・二年草
- 種子から 1 年以内に全生育期間を終了する草本花卉 = 一年草, 2 年で終了する = 二年草
- 一年草には耐寒性, 半耐寒性, 非耐寒性のものがる
- 耐寒性 ⇒ 温帯及び亜寒帯原産
- 半寒帯性 = 一年草
- 非耐寒性 = 春播き一年草
- 秋播き一年草には発芽後 5 〜 15 ℃の低温に遭遇しないと開花しないものが多い. また低温経過後長日で開花促進するものが多い
- 二年草は秋播き一年草の幼若相の長いもの. 播種後 12 ヶ月以上経て開花する ( cf. 緑色植物低温感応型であるフウリンソウ, ジギタリス, アメリカナデシコ etc )
宿根草 ( 多年草 )
- 一・二年草のように生育・開花・結実後枯死しない
- 温帯では植物体の全体あるいは地下部の根, 地下茎, 吸枝が越冬して 2 年以上の成長サイクルを繰り返す
- 株分け, 吸枝, ランナー, 挿し芽などで栄養繁殖する
花木
- 花, 葉, 果実などを鑑賞する木本植物
- 原則として温帯で越冬するもの
- 低木と高木とに分ける
- 切り花, 切り枝, 鉢物, 花壇, 庭木として利用される
- フジ, ムベ, サネカズラ, ノーゼンカズラなど, 木本性の蔓性植物も含まれる
球根
- 宿根草の一種
- 低温, 高温, 乾燥といった不良環境に耐えるため, 地下または地際の期間が特別に肥大し, 多量の養分を含むグループ
- 鱗茎, 球茎, 塊茎, 根茎, 塊根の 5 つに分けられる
- 秋植え球根, 春植え球根の区別がある
観葉植物
- 葉や茎が鑑賞の中心になる
- 熱帯, 亜熱帯の草本, 木本, 耐陰性のあるものが多い
- 温帯原産で戸外で越冬するオモト, ハラン, イワヒバなども和物観葉として観葉植物に含めることもある
ラン類
- 花卉園芸においてはラン科植物は対象になる種類が多く重要な一を占めるので独立したグループとして扱う
- 亜熱帯から熱帯に分布する
- オモトして欧米で育種されたので洋ランと呼ぶ
- 日本・中国に自生し, 古くから栽培されてきたものは東洋ランと呼ぶ
- 着生ランと自生ラン
- 単茎性と複茎性
サボテンと多肉植物
- 茎葉が肥大して多肉
- サボテンも広い意味では多肉植物であるが, サボテン類のなかには多肉植物の形態をとらないものもある
- サボテンはサボテン科の植物で構成され, 砂漠や乾燥地原生の乾性植物が多いが, 熱帯降雨林原生の植物も含まれる
水生植物
食虫植物
以上の分類以外に,
- 温室植物
- 斑入植物
- 蔓性植物
- ヤシ科植物
- 高山植物
- 地被植物
- シダ植物
- タケ・ササ類
などを別に分類することもあります.
補足記事