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植物ホルモンと花卉園芸

植物ホルモン (plant hormone) は、「植物自身が作り出し、微量で作用する生理活性物質や情報伝達物質で、植物に普遍的に存在し、その物質の化学的本体と生理作用が明らかにされたもの」と定義されます。

植物ホルモンの生理作用

現在までに知られているのは、オーキシン、サイトカイニン、ジベレリンアブシジン酸、エチレン、ブラシノステロイドストリゴラクトンジャスモン酸の 8 種類です。

このなかで主な植物ホルモンの、生理作用を紹介しましょう。

オーキシン

伸長成長の促進、花期間の形成、胚発生、根と維管束の分化などの器官形成の促進、頂芽優勢の維持などが知られています。花卉では、発根促進や花茎の伸長促進のめに使用されます。

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サイトカイニン

細胞分裂の促進、細胞の肥大促進、培養細胞からのシュートの形成、脇芽成長の活性化、植物体内の糖やアミノ酸などの転流の促進、葉の老化抑制、種子の発達、形成層の発達促進、気孔の開口促進など、多様な生理作用があります。

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ジベレリン

細胞伸長の促進、茎と根の身長成長の促進、細胞分裂の促進、芽や種子の休眠打破、光発芽種子の発芽促進、穀物種子の加水分解酵素の活性化、長日植物の短日時条件による開花促進、花卉の果実の単位結果誘導、花の性分化への効果などです。生育調節にとって重要な生理作用としては、細胞伸長による茎の伸長促進、休眠打破、開花促進などです。

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エチレン

果実の成熟、理想形成促進による葉、花、果実などの器官離脱促進、開花の促進、花弁の老化としおれの誘導、芽生えの形態形成、接触ストレスへの応答、伸長成長の抑制と促進など生理作用は多様で、植物の種類によっては正反対の生理作用を示すこともあります。

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植物ホルモンと植物成長調節剤

植物ホルモンは、光、温度、ストレスなどの環境要因によってその生合成量と感受性が変化し、結果、植物の成長が調節されます。

植物ホルモンは、植物自身がつくりだす ( = 内生) ものですが、人工的に合成された化学物質で、植物ホルモンと同じ作用をしたり、植物ホルモンの合成や働きを抑える物質があり、植物成長調節剤 (plant growth regulator) といいます。花卉の成長は、この植物調節剤を使用して調節されています。

なお、薬剤として使用できる植物成長調節剤は、農薬取締法では植物成長調整剤として登録されていて、適用作物や使用方法が定められています。

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