高知と農業、あと哲学とか

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遺伝子のはたらき: 複製・転写・翻訳

遺伝子の機能は何でしょうか。それは、

  • 自己複製すること
  • その情報を発現するために RNA を合成するための鋳型になること

です。

DNA のもつ遺伝情報は、AGCT の4種類の配列によって決定され、細胞分裂ごとにコピーされ、親細胞から子細胞へと正確に伝えられます。この過程を複製と言って、DNA が2重の鎖からできていることをうまく利用して、親の2本のDNA鎖がそれぞれ鋳型となって子の DNA を作ります。

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塩基

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DNA の二重らせん構造

したがって、親の鎖は子の鎖の一方に保存されます。ですので、半保存的複製とも言います。

RNA を遺伝子としてもつウイルスでは、RNA が自己複製したり、また RNA から DNA が逆転写される現象がみられる場合があります。しかし、このような情報の流れは生物界の中ではまれです。

DNA の遺伝情報は、まず RNA に写しとられ、次に RNA塩基配列アミノ酸に変換されます。前者の過程を転写と言い、後者の過程では RNA 塩基配列に基づきタンパク質が合成されるので、翻訳と言います。

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転写と翻訳

このような遺伝情報の流れをセントラルドグマと言い、それはちょうど数学における公理のようなもので、分子生物学の基本原理です。

遺伝子の転写の開始や調節にかかわるタンパク質がたくさん同定されるようになりました。特に DNA に特異的に結合するタンパク質を転写因子と言います。これらは、プロモーターやエンハンサーといった DNA 上の転写を制御する領域に結合し、遺伝子の発現を促進または抑制します。転写因子をコードする遺伝子はこれまで見つかった遺伝子の 7 〜 8 %と言われています。なお、モデル植物であるシロイヌナズナでは 1500 以上もの転写因子が知られています。

遺伝情報の翻訳とは、mRNAの中に含まれる情報からタンパク質を合成することです。このタンパク質合成の過程は、開始・伸長・終結の 3 つの部分に分けられます。開始の過程は複雑です。まずはじめに、メチオニンをつなげた開始 tRNA といくつかの因子を含む複合体 (開始因子)が、リボソームの小サブユニットに結合し、次に、mRNA の 5’ 末端に結合して開始コドン (AUG) を探し当てます。

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さらに、開始因子が外れることによって、リボソームの大サプユニットが小サブユニットに結合します。リポソームの大サブユニットには、mRNA 結合部位とペプチジルtRNA 結合部位 ( P 部位)、アミノアシルt RNA 結合部位 ( A 部位) の 3 つの RNA 結合部位があります。開始 tRNA は P 部位に結合していて、A 部位に次の tRNA が結合することによって、タンパク質合成が開始されます。P 部位と A 部位に結合している tRNA は、それぞれアンチコドン部位で mRNA の連続した 2 組のコドンと対を作っています。

リポソーム上でのタンパク質の伸長は、個々のアミノ酸について 3 段階からなるサイクルによって行われます。第1段階では、mRNA 上のコドンに対応し、活性化されたアミノ酸をもつ tRNA (アミノアシル tRNA )分子が、リポソーム上の A 部位に結合します。第 2 段階は、P 部位の tRNA 分子についているポリペプチド鎖の C 末端がはずれ、A 部位の tRNA 分子側のアミノ酸と、ポリペプチド結合を作ります。第 3 段階では、リポソームが mRNA 鎖に沿って 3 塩基分移動し、新しくできたべプチジル tRNA を A 部位から P 部位へ移します。P 部位にあった tRNA は E 部位に移動してリポソームから離れます。このように、mRNA 上のそれぞれのコドンに対応するアミノ酸は、伸長中のポリペプチド鎖の C 末端に 1 個ずつ付加されます。3 種類ある終止コドンのうちの 1 つに出会うと、そこに遊離因子が結合することによってタンパク質合成は終結します。完成したタンパク質はリポソームから離れ、リボソームも 2 つのサブユニットに分かれます。

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