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植物における、倍数化による進化

生物はふつう同じゲノムを2つ持っています。ただ、それより多くのゲノムを持つ生物も存在し、そのような生物個体を倍数体といいます。

倍数体は動物では稀です。しかし植物では非常に多く、被子植物のほぼ半数が倍数体とも言われています。

倍数性は植物の種分化にとって最も重要な要因です。

[目次]

 

同質倍数化による進化

同質四倍体

体細胞において、細胞分裂の前に染色体は複製を終えて倍加しています。

 

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しかし細胞が分裂に失敗したとき、倍加した染色体が 1 つの細胞に存在することになります。

 

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その後、細胞は染色体を2倍に保持したまま分裂を続け、その細胞の子孫は、同じゲノムを 4 つもつことになるのです。

 

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これを同質四倍体といいます。同質四倍体は相同染色体を 4 本持つことになって、減数分裂は四価染色体という多価染色体を形成します。多価染色体では減数分裂がしばしば困難になり、部分不稔が生じることもあります。

同質倍数体

同質倍数体による進化の例として、ジャガイモ (同質四倍体) やサツマイモ (同質六倍体)、キク(同質四〜十倍体) があります。また栄養繁殖による植物では、三倍体植物がしばしば見られます。バナナ、セイヨウタンポポ、フキ、ヒガンバナ、クロッカスなどが三倍体です。園芸植物では、ヒヤシンス、カンナ、チューリップ、サクラソウなどにおいて人工的に三倍体が育成されています。

異質倍数化による進化

異質倍数体

ゲノムの違う A 種 と B 種が雑種形成した場合、その雑種では染色体の対合が起こらず正常な減数分裂が起きないので、不稔になります。しかし、同質倍数体の場合のように、染色体の倍加が生じれば、各ゲノムの染色体は対合する相手を持ち、減数分裂が正常に進みます。

 

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その結果、正常な配偶子が作られて、自家受粉によって新しい生存可能な種が形成されるのです。このような四倍体を異質四倍体といいます。

 

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以上のように、異なるゲノム同士の雑種がそれぞれのゲノムを倍加させた個体を、複二倍体といいます。

異質倍数体による進化の例として、コムギ属、エギロプス属、アベナ属、ブラシカ属、ワタ属などが知られています。

倍数体化による進化の特徴

倍数体化は一度にゲノム数を 2 倍させます。なので、遺伝情報が多様化する劇的な進化の形態です。同じゲノムが増えれば、一方が突然変異によって別の機能を持つことも許されます。また、新しいゲノムが加われば、それだけ遺伝情報量が増え、環境に対する適応性も広がるのです。

例えば、パンコムギは3種類のゲノムを持つことで、その栽培地を世界各地に広げることができたのです。

倍数化のメカニズム

倍数体は、熱帯地域の植物よりも、寒冷な気候の地域や高山の植物に多く見られます。

キク科やイネ科の植物では倍数体の割合が多くて、多くの穀類、野菜、果物も倍数体ですね。

自然における倍数体発生の原因は、花や枝での体細胞染色体の倍加のほか、生殖細胞においてまれにできる非還元配偶子、これは体細胞と同数の染色体を持っている配偶子のことですが、その非還元配偶子同士の受精です。

​また、コルヒチンの処理などによって人工的に倍数体を作ることもできます。

 


 

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