昨年度 ( 2015 年度 ) から, 農学部に再入学して二度目の大学生活を送っています. 二度目の大学生活の 1 年目の印象についていろいろ思うところはあるのですが, それはさておき, 1 年目で読んだ・参考にした主な文献, 資料, web サイトを整理しておいて損はないと思い, まとめてみました.
これはしょうもなさすぎるな, というのは外しています. ただ, 例外的に, これは必要なかった! 読むな! 的なアドバイスとして ( アドバイスできるよう立場ではないのですが ), しょうもないのも数冊入っています.
文献の並び順は, わたしがあとで参考にしやすいだろう, というのが基準ですので, 日本十進分類法などに従っているわけではありません. 言わば俺版ライフスタイル分類です. すみません. また, 面倒臭いから一部, オーソドックスな参考文献表記スタイルから外れている表記があります. すみません. ググってたどりつければいいんではないか, という甘ったれた考えからです.
アカデミック・ライティング
- 木下是雄『レポートの組み立て方』( 筑摩書房, 1994 )
- 戸田山和久『新版 論文の教室―レポートから卒論まで』( NHK 出版, 2012 )
- 西出利一『理系のための文章術入門』( 化学同人, 2015 )
大学再入学にあたり, アカデミック・ライティングについてもう一度確認しようと思い, 入学直後に読み始めました. 木下 1994, 戸田山 2012 ともに, 主に文系が対象のレポートの書き方です. が, 超超基本として, レポートとは何ぞや, 的なことが書かれていますので, 両方ともそういう基本的なところがあまり理解できていない方にはオススメです. 特に戸田山の方 ( ただ, いわゆる「戸田山節」が炸裂していますので, その辺苦手な方には厳しいかも ). 西出 2015 は, 理系の文章術として非常に良書です. 戸田山で基本を理解した後, 西出で理系の文章の特徴をつかむ, といった順番がいいでしょう.
また今は, 各大学がアカデミック・ライティングについて啓蒙するための web サイトを公開しています. 「レポート」「書き方」などでネットで検索して上位に出てきてしかし誰が書いているか分からないような ( 要するにこのブログのような ) web サイトを参考にするより, よほど参考になると思います.
物理
- 原康夫『基礎物理学』( 学術図書出版社, 2012 )
- 一石賢『物理学のための数学』( ベレ出版, 2012 )
化学
- 川瀬 雅也・山川 純次『大学で学ぶ化学』( 化学同人, 2012 )
- 斎藤昊『はじめて学ぶ 大学の物理化学』
- 三吉克彦『はじめて学ぶ 大学の無機化学』( 化学同人, 1998 )
- 富岡秀雄・立木次郎・赤羽良一 他『有機化学の基本』( 化学同人, 2013 )
- 石川正明『大学 1 ・2 年生のためのすぐわかる有機化学』( 東京図書, 2009 )
- 川瀬雅也・内藤浩忠『化学のための数学入門』( 化学同人, 2010 )
教養の化学授業で, 指定テキストがなかったのですが, 予習・復習用として購入しました. 有機化学に限定して言えば, 富岡・立木・赤羽 他 2013 がオススメです ( 石川 2009 ).
生物
- 大森茂『大学 1 ・2 年生のためのすぐわかる演習生物』
- 大森茂『大学 1 ・2 年生のためのすぐわかる生物』
- 和田勝『基礎から学ぶ生物学・細胞生物学』
この辺は正直いらなかった!!!!! キャンベルかレーヴン・ジョンソンかを買っておけばよろしいかと.
環境問題
- 不破 敬一郎・森田 昌敏 編『地球環境ハンドブック』( 朝倉書店, 2002 )
- 松本淳『はじめての大気環境化学』( コロナ社, 2015 )
- WHO, Air quality guidelines for particulate matter, ozone, nitrogen dioxide and sulfur dioxide ( 2006 )
- 環境省「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」嵯峨井 勝 他「大気中微小粒子状物質(PM2.5)から生じる酸化ストレスと脳神経障害」日本衛生学雑誌 70(3), 220-229, 2015 日本衛生学会
- 余田 佳子 他「大気汚染物質が喘息およびアレルギー症状を有する者の肺機能に与える急性影響」アレルギー 64(2), 128-135, 2015-03-01 一般社団法人日本アレルギー学会
- 島 正之「大気汚染の健康影響に関する疫学研究」大気環境学会誌 50(2), 67-75, 2015
農学
生態学
- 宮下直, 井鷺裕司, 千葉聡『生物多様性と生態学』( 朝倉書店, 2012 )
- 松田裕之『環境生態学序説』( 共立出版, 2000 )
- 農林水産技術情報協会『農山漁村と生物多様性』( 家の光協会, 2000 )
- 種生物学会『農業と雑草の生態学』( 文一総合出版, 2007 )
生物多様性について調べる必要があったので, 参考にしたもの. いちばんのオススメは, 宮下・井鷺・千葉 2012 です. その次にオススメなのが, 環境生態学序説です. いずれも, 生物多様性についての定量的な評価の試みについて紹介されており, 「自然を大切にしよう!」みたいなふんわりとしたイメージが, はっきりとしてきます.
遺伝子組み換え
- 高山真策『植物バイオテクノロジー』( 幸書房、2009 )
- 山田康之, 佐野浩 ( 編著 )『遺伝子組み換えの光と影』( 日本学術振興会, 1999 )
- 金澤一郎, 祖田修, 上野民夫, 佐藤文彦『食の安全を求めて -食の安全と科学―』( 日本学術会議事務局, 2010 )
土壌
- 久馬一剛『土とは何だろうか?』 ( 京都大学学術出版, 2005 )
- 松井健・岡崎正規『環境土壌学- 人間の環境としての土壌学』( 朝倉書店, 1993 )
海洋学
- Paul R. Pinet ( 著 ), 東京大学海洋研究所 ( 訳 ) 『海洋学 原著 第 4 版』( 東海大学出版会, 2010 )
- Philip V.Mladenov ( 著 ) 窪川 かおる ( 訳 )『海洋生物学 (サイエンス・パレット)』( 丸善, 2015 )
- 東海大学海洋学部海洋生物学科『海洋生物学入門』( 東海大学出版会, 2008 )
- 關 文威 ( 監 ), 長沼 毅 ( 訳 )『生物海洋学入門 第 2 版』( 講談社, 2005 )
- 岩井 保・林 勇夫『基礎水産動物学』( 恒星社厚生閣, 1990 )
わたしはまったく海洋学関係を専攻するつもりはないのですが, 教養のために ( !?!?? ) 海洋実習に参加し, 実習前の予習, 実習中の暇つぶしに読みました. Mladenov 2015 は, 非常にコンパクトにまとまっていてオススメです. 少し古いですが, 關 2015 もオススメ. 海洋生物学ではなく, もっと広く「海洋学」という点からは, じっくりは読めていないので上記リストからは外しましたが, 横瀬久芳『はじめて学ぶ海洋学』( 朝倉書店, 2015 )もコンパクトにまとまっていて, オススメできるかもしれません.Paul R. Pinet 2010 は分厚いうえに翻訳で, 内容的にちょい古です.
農業経済学
- 荏開津典生・鈴木宣弘『農業経済学 第4版』( 岩波書店, 2015 )
- 岩元泉「現代農業における家族経営の論理」,『農業経営研究』50(4), pp. 9-19, 2013 全国農業構造改善協会
- 清水徹朗「農業所得・農家経済と農業経営――その動向と農業構造改革への示唆――」,『農林金融』66(11)pp. 13- 31, 2013 株式会社農林中金総合研究所
- 堀田和彦「家族経営と「企業経営」の比較」,『農業経営研究』155 pp. 30- 38, 2013 全国農業構造改善協会
有機農業
- 小口広太「有機農業のこれまで・いま・これから―改めて「地域」の視座から考える―」PRIME (38), 37-50, 2015-03 明治学院大学国際平和研究所
- 日本有機農業学会 編『有機農業』: 21 世紀の課題と可能性 有機農業研究年報 1』( コモンズ, 2001 )
- 山下一穂『超 かんたん 無農薬有機農業』( 農村報知新聞社, 2004 )
- 中島紀一・金子美登・西村和雄『有機農業の技術と考え方』( コモンズ, 2010 )
- 熊澤 喜久雄・生井 兵治・杉山 信男 他『基礎講座 有機農業の技術―土づくり・施肥・育種・病害虫対策』( 日本有機農業研究会 2007 )
- 明峯 哲夫『有機農業・自然農法の技術: 農業生物学者からの提言』( コモンズ, 2015 )
小口 2015 は, 序論で有機農業の歴史について簡潔にまとめられています. 読む価値あるかもしれません. あとはどれも読む必要はありません ( 笑 )
経済学
オススメなのは, 神取道宏『ミクロ経済学の力』です. ミクロ経済学の理論を現実にあてはめるとどうなるかが説明されています. なんか試験とかそういうのの対策としては, 吉田真理子・荒田暎子『ミクロ経済学の理論と演習』がいいかもしれません.