この記事には, 私大文系卒だったわたしが, 帰郷後に農業を始めるにあたり, だったら大学で勉強してみようと思い立ち, 地元の国立大学農学部に一般入試で合格した際の勉強法について書かれています.
国立理系って言っても駅弁大学の農学部かよ…, 読むのヤメた, と, 思われるかもしれません. また, 入試改革が迫るなか, この記事の内容はどんどん古くなると思われるかもしれません. が, 特にスキマ時間勉強法の考え方などは, 大学受験のみならず, その他の資格や就職試験の勉強法にも役立つことでしょう. あ, あと, タイトルに「ウェイ」と入っていますが, 別に「ウェイ」ではありませんでした. いま思い起こすと.
受験決意, そして受験勉強開始まで
もともと哲学専攻で, 存在とは何かに関心があり, 都内の私立大学で現象学, 特にハイデガーを研究し, 修士号を取得しています. 修士取得後, いつか大学院に戻ってやろうという気持ちを持ちながら, 学習塾での正社員や派遣, そして音楽事務所などで働いていました.
そんでまあ, いろいろ省略しますが笑, 一身上の都合で実家の農業を継ぐ決心をし, だったら地元の国立大学の農学部で学びたい, と思うようになりました. いろいろ調べると, 志望大学の農学部のコースには社会人入試枠がない, 編入もない. だったら院からかな〜, と思ったけど, 哲学科の卒論をもって農学部の院なんて受かる訳がない, どうする, 一般入試しかない!
ということで受験勉強を始めました. 勉強の基本はオーソドックス. ひたすら問題演習, ひたすら暗記です. しかしふつうの受験生と圧倒的に異なるのが,「時間のなさ」. 詳しくは後述しますが, 9 月までほとんど勉強しなかったことに加え, 昼間は農作業. 1 日最長でも 6 時間程度しか勉強できない… という状況のなか, スマホを使ってスキマ時間で勉強することを考え, 実践しました. 「時間がなければスキマ時間で勉強すればいいじゃない 〜受験勉強スマホ活用術〜」ではどのようにスマホを活用したのかを, 詳しく書いています.
3 ヶ月しかない!
大学院まで進学しているし, 学習塾での講師の経験もありますので, 勉強には自信がありました.
試しにセンターの英語を解いたところ, ほぼ満点. ふだんから英語の web 記事などを読んでいるので, 当然といえば当然なんですが, これで油断しました. 「センターってこんなもんか. なら数学も理科も楽勝くさいな...」
油断の理由はもう 1 つあります. センター試験での合格者平均点が 60 点だったからです. いけるやん. しかも二次試験が小論文だけだった. 完全にいけるやん. 楽勝やん. 英語と国語で満点とって, 理系科目で半分とったらいけるやん. 楽勝やん, 勉強せんとこ.
しかしこれが間違いだったことは言うまでもありません. もともと私大文系. 現役の頃の受験科目は英・国・政経. 学習塾で講師をしていたとは言え, 担当していたのはやはり文系科目. 数学や生物・化学をまともに勉強したのは, 高 2 が最後 ( 物理と地学はまったく勉強したことがない ). しかも生物に関しては高校時代の成績が 2 . 化学の時間は mol が出てきて以来睡眠の時間でした. つまり. 圧倒的に理系科目が出来ない!!!!! まさに典型的なその辺の私大文系!!!!!
ということで, いま振り返れば「俺はなぜあんな無駄な時間を...」という大変恐ろしい事態になりかねなかったのですが, 当時はそんなこと全く気にせず, 購入したばかりのボーカロイドでラップに挑戦したり, 夏にはフジロックに行ったりしていました笑
そして 9 月. 模試を受けようと思い, 申し込もうとしたら, 申し込み期限が過ぎており, 仕方なく, 書店で代々木か河合かのセンター模試問題集を受験科目分一通り揃え, 解いてみました. 英語, ほぼ満点. 国語, 8 割まではよかった. が, 理系科目は軒並み 1 割がいくかいかないかしか解けませんでした ( かろうじて数ⅠA が 4 割 ).
血の気が引く音というのを実感したのは, あのときが初めてかもしれません. 周囲には,「楽勝楽勝」みたいに余裕ぶっかます態度をとっていたからです. 「あかん, これで落ちたら一生の恥や...」それだけは避けなければいけない. ではそのためにできることは何か... を考え, 行動に移しました. では, 「あかん, これで落ちたら一生の恥や...」と思いつめた 9 月からセンター試験までの 3 ヶ月間. わたしはどのような受験勉強をしたのか.
夏まではほとんど勉強していなかった
9 月まで全く勉強していなかったと言えば嘘になります. しかしほっとんど勉強していなかった, 少なくとも受験生の勉強するような内容ではありませんでした. わたしが 9 月までに勉強していたことは,
- 大人が復習するための高校数学の本
- 生物・化学の問題集に答えを書き込んだりしていた ( 理由は後述 )
この 2 点です. 多くの現役生, 浪人生が, 学校で, 予備校で, 「夏は受験の天王山」というおきまりのキャッチコピーの下に, 1 日何時間も勉強しているなか, わたしはボーカロイドと向き合い, その合間に勉強とは言えない作業をしていました
時間がない!
大学入学すると,「予備校に行かずに宅浪をしていた」といったような話を聞いたりします. 彼らからは, 1 日 16 時間ほど勉強していたなどというスゴいエピソードも聞きます. わたしも予備校へは行ってません. というか行けなかったのです. 元プロの塾講師なのでいまさら予備校になんか行くか! という不必要なプライドもあったのですが, もっと根本的な理由としては, 昼間は農作業をしているから, でした. 農業は天候との戦いです. 以下略. わたしに残されたまとまったしかし不規則な時間は, 農作業が終わったあとのだい〜たい 19 時〜20 時頃以降だけでした. 朝は 5 時か, 遅くとも6 時には起きます. 睡眠時間を 5 時間は確保するとして ( わたしはもともとめちゃくちゃ寝る人間なので, 5 時なんて本当に耐えられないんですが... ) だいたい25 時まで, がんばって 26 時まで, で, 1 日 5, 6 時間勉強できれば「十分な時間」です. 受験勉強では, この 5 時間, 6 時間をいかに効率的に使うか, あるいは, それ以外の, 日中のまとまっていない時間をどう使うか, が重要になりました.
次回は「時間管理編」です.