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日記系雑記ブログ: 農業、データサイエンス、自然

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光周性とは何か

光周性 (photoperiodism) とは, 植物が日長の変化を感じて季節を判断し, 開花時期や休眠の導入時期などを決定する反応のことです. 日長感応性 (photoperiodic sensitivity, sensitivity to photoperiod) とも言います.

植物の成長は, 光・温度・湿度・栄養条件など, さまざまな外界の環境に影響を受けます. 日長の変化は, こうした環境の中で最もブレの少ない要因と言えます.

 

【目次】

 

光周性の発見

光周性反応は, 1920 年, アメリカ農務省のガーナー (W. Garner) とアラード (H. Allard) によって報告されました.

光周性発見のきっかけは, 当時栽培されていたタバコのメリーランド細葉系統の中に, 花をつけない突然変異体が出現したことでした. この系統はメリーマンモスと呼ばれるようになりました. 葉を収穫するタバコ栽培では, 花をつけない特性は有望です. しかし, 花が咲かないために採種に問題がありました. そのため, メリーマンモスの開花の条件が検討され, 結果, 冬の温室条件で植物体の大きさに関わらず開花することが判明しました. また, ダイズを春から秋のさまざまな時期に播種して開花期を調べた結果, 播種日に関わらずほぼ同時に開花することが分かりました.

ガーナーとアラードは, これらを検討し, 植物は季節ごとに変化する環境を感じて開花期を決めると予想しました. その後, 暗箱を利用して人為的に明るい時間の長さを変えながら, いくつかの植物の開花反応を調査しました. ダイズ, タバコ以外に, アスター, ツタギク, インゲンマメ, ブタクサ, ダイコン, ニンジン, レタス, ハイビスカス, キャベツ, スミレ, ハヤザキアワダチソウなどです. 結果, 植物は日長を認識することで季節変化を予期していることを明らかにしました.

光周性による植物の分類

長日植物, 短日植物, 中性植物

開花についての日長反応 (photoperiodic response) は, 次の 3 つに分類されます.

  1. 短日植物 (short-day plant) ・・・日長が短くなると花芽がつくられ開花する植物
  2. 長日植物 (long-day plant)・・・日長が長くなると花芽がつくられ開花する植物
  3. 中性植物 (day-neutral plant)・・・日長に関係なく花芽が作られ開花する植物

質的反応と量的反応

短日植物と長日植物は, さらに質的 (絶対的) な反応と, 量的 (相対的) な反応を示すものに分けられます.

ある一定の時間以下の日長条件でなければ開花しないものを, 質的 (絶対的) 短日植物 (qualitative or obligate short-day plant) と言います. 逆に, 一定直二条の日長条件でなければ開花しないのが, 質的 (絶対的) 長日植物 (qualitative or obiligate long-day plant) です. この, 開花するかしないかを決定する日長を限界日長 (critical day-length) と言います.

量的とは, 例えば, 量的 (相対的) 短日植物 (quantitative or facultative short-day plant) であれば, いずれの日長条件でも開花し限界日長もないが, 短日条件でより開花が促進されるもののことです. 量的 (相対的) 長日植物 (quantitative or facultative long-day plant) はその逆で, 長日条件でより開花が促進されるものを言います.

 

参考文献


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