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連鎖と乗り換え (交さ)

2 組の遺伝子が別々の染色体上にあるときは、メンデルの独立の法則に従い、互いに独立に遺伝することにります。もし 2 個の遺伝子が同一染色体上にあるときは、遺伝に際して一緒に行動すると考えられます。このことを連鎖と言います。連鎖している遺伝子の発現は、もちろん独立の法則からはずれます。

[目次]

連鎖

連鎖現象を最初に明らかにしたのは、べイトソンとパネットで、スイートピーを用いた実験でした。この実験では、花の色と花粉の形の 2 つの形質が注目されました。紫花・長花粉と赤花・丸花粉の純系どうしを交雑したところ、その F1 はすべて紫花・長花粉になりました。このことから、紫花 B と長花粉 L の遺伝子は赤花 b と丸花粉 l に対してそれぞれ優性であることがわかりました。さらに、F1 に二重劣性系統bbll を検定交雑し、独立の法則を確かめようとしました。もし、2 組の対立遺伝子が独立の法則に従うなら、次世代では4種類の表現型がすべて同数現れるはずです。つまり、紫花・長花粉 : 紫花・丸花粉 : 赤花・長花粉 : 赤花・丸花粉 = 1 : 1 : 1 : 1 ということですね。ところが実際の実験では、これらの比がほぼ 7 : 1 : 1 : 7 になりました。なぜこのようなことになるのでしょうか。染色体が「乗換え」によってその一部を交換するとすれば、説明できます。

染色体と乗換え

モーガンらはショウジョウバエを使った研究から、2 つの遺伝子の分離が独立の法則から外れるのは、それらの遺伝子が同じ染色体上にあり、いつも完全に行動をともにするのではなく、ときどき相同染色体の 2 つの染色体間で部分交換が起こり、それにともなって遺伝子も交換されると考えました。このことに対する細胞学的な根拠を、ヤンセンスが発見しました。ヤンセンスは、減数分裂において染色体が交さしてできるキアズマを観察したのです(1909年)。

減数第一分裂前期には、相同染色体が互いに平行に密着して並び、対合します (植物の減数分裂)。各染色体は複製して 2 本の染色分体からなるので、対合している染色体は合計 4 本の染色分体から構成されています。この時期に相同染色分体間の任意の 2 本において、同じ場所で染色体の切断がおこり、その部分を交換してつながることがあります。このことを乗換えと言います。もし 2 個の対立遺伝子 AB と ab の間で乗換えが起こると、同じ染色体分体上にあった遺伝子 A と B、および a と b が離ればなれになり、Abと aB の組換えが生じるのです。

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乗り換えの起こる様子

(画像出典: 福井・向井・佐藤『植物の遺伝と育種 第2版』(朝倉書店、2013))

対合した相同染色体間で乗換えがおこるとき、交換される染色体部分が等しくない場合があり、これを不等乗換えといます。不等乗換えの結果、一方の染色体には部分的な重複が、他方の染色体にはその部分の欠失が生しることになります。不等乗換えを繰り返すことによって、特定の遺伝子の数が増える場合があります。

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