高知と農業、あと哲学とか

農業のこと, 高知のことなどなど. ゆるゆる更新する雑記ブログ

【スポンサーリンク】

作物の栄養成長

農業で栽培される作物は, 大きく分けて農作物と園芸作物に分類されます. 農作物と園芸作物のそれぞれの違いは, ざっくり言えば, 農作物 = 比較的大規模に栽培・管理される作物, 園芸作物=比較的小規模に栽培・管理される作物です (この辺の違いは, けっこう農業の歴史的な経緯も関係してきます). 

 

【目次】

 

作物とは

園芸作物のさらなる分類についてはコチラの記事を参考にしていただくとして, 

www.xtraetc.xyz

農作物は, 食用作物, 工業原料作物, 飼料作物および緑肥作物にさらに分類されます.

それぞれに分類されている農作物をもう少し具体的に挙げれば, 例えば, 食用作物は穀類イモ類, マメ類など, 人間の主食になるような作物です. また, 工業原料作物には, 繊維, 油料, 嗜好料, 糖類, 薬料などが含まれます. 飼料作物とは, 家畜の餌になる作物です.

こうした農作物は, 農業では単に「作物」と称されます. つまり, 農業で作物という場合は, ふつう, 野菜・果樹・花卉と言った園芸作物ではなく, 上記に挙げた「農作物」を指します.

この記事では, 農作物の意味での「作物」の栄養成長について紹介します.

が, この記事で紹介されている内容は, たいていおおよその高等植物に当てはまって, 例として挙げられているのが作物だ, というくらいです.

1. 発芽とその条件

種子が発芽するためには, 水・酸素・温度が必要です.

まず, 発芽へ向けた活動が始まるのは, 播種後, 種子が吸水することで種子中の水分含量が一定値以上になり, 種子中の酵素やホルモンが活性化してからです.

イネ科植物の場合は胚乳, 双子葉植物の場合は子葉に蓄えられたデンプン・タンパク質・脂質といった養分は, 酵素によって分解され, 胚へ送り込まれ, 幼芽や幼根が成長を始めます. この活動には酸素が必要で, したがって呼吸作用が活発になります.

発芽過程での吸水速度や酵素の活性は, 温度によって左右されます. 一般に, (限度はありますが, つまりタンパク質が機能を失わない程度の) 高温下ほど発芽や出芽は早まります. もちろん, 高すぎる温度条件下での発芽は, 発芽が不揃いになったり, 発芽後の成長に異常がみられることがあります. 

2. 茎葉の成長

植物は出芽後, 葉が展開するのともない, 成長の仕方に移行が見られます. つまり, 植物の成長は出芽後, 種子の貯蔵養分に依存した成長 = 従属栄養成長から, 新しく展開した葉の光合成産物へ依存する成長 = 独立栄養成長へ移行するのです. 独立栄養成長へ移行後は, 光合成産物を材料に, 新しい葉が次々に形成され, これにともない葉・根の伸長・肥大が進みます.

茎葉の分化・成長は, 大もとをたどれば茎の先端にある頂端分裂組織の細胞分裂にあります.

f:id:yzxnaga:20171013210558p:plain

[マメ科作物の 1 次分裂組織と生育]

頂端分裂組織では, 活発な細胞分裂によって, 一定間隔で規則的に葉が分裂・成長します. また, 茎の伸長や肥大のために, 細胞が増え続けています.

成長の進んだ主茎 (イネ科の作物では「主稈」と言います) の葉の付け根 (葉腋) からは, 腋芽が分化します. 腋芽は成長して側枝になり, その分裂組織では葉や枝を増やし, 大きく成長していきます.

作物の茎は, 節と節間から成り立っています.

f:id:yzxnaga:20171013210712p:plain

[植物の体のつくりと植物単位の模式図]

このことは, 主茎・側枝ともに同様です. 節間はすべて, 上部に 1 枚の葉と多数の根を分化させる能力を持っています. また, すべての下部には 1 本の腋芽と多数の根を分化させる能力がります.

節間, 葉, 腋芽, 根からなるひとまとまりを植物単位と言うことがあります. 作物の「体」はこの植物単位を多重的に積み上げたものだということができます. ただし, こういった能力は環境条件に左右されます. たとえば腋芽の場合, すべての腋芽が側枝へ発達するのではなく, 環境条件によって休眠したり, 途中で成長を停止したりします.

3 根の成長

根の成長は, 魂胆分裂組織での細胞分裂によって進み, 根系を形成します.

根系は, 双子葉植物とイネ科作物では異なります. 双子葉作物の根は, 基本的に, 1 本の太い主根と, それから枝分かれした 2 次根, 3 次根などの側根とから成り立っています. なお, 土寄せなどで茎の下部が地中へ埋もれると, そこから不定根が発達することもあります.

イネ科作物では, 種子から直接発生する根 = 種子根は, イネで 1 本, コムギで 3 〜 6 本と, あまり多くありません. 根系の主体は, 地中にある茎の各節から発生する不定根です. イネ科作物では, 不定根のことを冠根 (あるいは節根) といいます.

f:id:yzxnaga:20171013210759p:plain

[双子葉植物とイネ科の根系の模式図]

参考文献

【スポンサーリンク】