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農作物を適切に栽培するために知っておきたい土壌の役割と種類

適切に農作物を栽培するためには, 土壌についての知識が必要不可欠です. この記事では, 土壌の役割と, 種類について紹介します.

 

【目次】

 

土壌の役割

農作物を栽培する差に欠かせないのが. 土壌です. 近年は土壌を利用しない養液栽培も普及してはいますが, それでもまだまだ土耕栽培の方が主流です.

農作物を栽培する際の土壌の役割は, 次の 4 つに集約できます. つまり,

(1)作物を倒れないように支える

(2) 根 (作物) が必要とする水と酸素を供給する

土壌粒子のあいだの孔隙に水と空気を保持することで行われています.

(3) 作物への養分供給を調節する

微生物による養分の取り込みと分解・放出や, 土壌粒子によるよう分の吸着・放出によって行われています.

(4) 以上, (1)〜(3) の機能を長く維持する高い調整能力 (緩衝能)

緩衝能はさらに 3 つに分けられます. 温度などの変化を抑える物理的な緩衝能, pH などの変化を抑える化学的な緩衝能, そして, 特定の微生物等の増殖を抑える生物的な緩衝能です.

です.

こうした役割をもつ土壌は, 鉱物粒子, 土壌有機物など, 大小多数の粒子からできている多孔質物質です. 粒子の間隙には, 水と空気が保持されています. 土壌の個体の部分を固相, 水の部分を液相, 空気の部分を気相といい, これらはまとめて土壌の三相構造といいます.

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土壌有機物は腐植といわれます. 腐植のなかでも特に, 組成が複雑で黒色の分解しにくい有機物を腐植物質と言います. 腐植物質は, 電気的にプラスとマイナスの部分をもっていて, 粘土鉱物と結合して粘土腐植複合体になります. この粘土腐植複合体は, 無機養分を保持したり, 土壌を団粒化したりして, 土壌の機能を高めるはたらきをしています.

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土壌中には非常に多くの微生物が存在し, また, ミミズ, トビムシなどの小動物も存在します. こうした生物の存在もまた, 植物が健全に生育する土壌条件へ与します (もちろん, 病害虫による被害の原因にもなるわけですが…)

土壌の種類

土壌にも種類があり, 大きくは, (1) 低地土 (沖積土), (2) 火山性土, (3) 台地土 (洪積土), (4) 泥炭土, (5) その他の未熟土や赤色土に分けられます. これらの分類はさらに排水性の良否を基準の中心にして, 細かく分類されます.

低地土

河川によって運ばれた土砂が, 海岸の沖積平野, 扇状地, 谷底平野などに堆積してできた土壌です. 沖積土ともいいます.

同じ低地土でも, 地理条件によって土壌の性質は異なります. 土壌の性質が異なれば, 栽培に適している農作物も異なります. たとえば日本における稲作とについてみてみましょう. 九州北部から近畿地方までの西日本の低地土は, 火山灰の混入がなく, かつリン酸の天然供給力が高い. そのため, 古くから稲作が発達しています.

対して東海, 関東, 東北など, 東日本の低地土は, 火山灰の混入がみられます. また, リン酸の天然供給力が高くありません. そのため, 土壌の熟成・農業技術の発展にともなって稲作が拡大していきました.

火山性土

火山の噴出物に由来する土壌です. 土壌養分が乏しく, 一般的に生産力は高くありません.

生産力が低い理由は土壌養分が低いだけではありません. 火山性土は酸性を示しますが, そのため, 土壌のリン酸を固定し, 吸収できなくする力が強く, 施用されたリン酸資材が作物に吸収されにくくなるからです.

このリン酸の固定について少し補足しましょう. リン酸は, アルカリ土壌ではおもにカルシウムイオンと結合し, リン酸カルシウムとして沈殿・難溶化します. また, 酸性土壌ではアルミニウムイオンや鉄員と結合し, リン酸アルミニウム, リン酸鉄の結晶になり, 難溶化します. これをリン酸の固定といい, 固定の強さをリン酸の固定力といいます.

台地土

火山灰におおわれていない, 台地や丘陵上の土壌です. 洪積土ともいっます. 土壌養分が少なく, また, 物理性が悪いため, 最も生産性の低い土壌です. 台地土は強酸性で, 養分の天然供給力はほとんどありません. そのため, 生産力を向上させるためには土壌改良が必要です.

泥炭土

植物残渣が水はけの悪い多湿条件下で集積し, 植物体堆積物 (泥炭) を母材とする土壌です. 泥炭土は, 植物遺体の分解の進み方によって, 泥炭土と黒泥土に分類されます. 泥炭土は排水不良で, 窒素以外の養分が少なく, 強い酸性という性質をもっています.

その他

以上の土壌以外に, 未熟土や岩屑土があります.

未熟土は, 海岸から風で運ばれた砂が堆積した土壌で, 砂丘や砂浜にみられます. 乾燥し易く保肥力に欠け, 養分が乏しいという特徴があります. ただ, スイカやメロンなどの栽培が行われることもあります.

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