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葉温の光合成への影響

葉温 (leaf temperature) は, 気温, 光強度, 湿度, 風速などによって変化します.

光強度が強まるほど葉温は上昇します. 上昇した葉温は, 効率的に葉から熱が取り除かれるない場合, 高温になります.

ふつう, 葉は蒸散による気化熱によって冷却されます. そのため, 気温と葉温にはほとんど差はありません. しかし, 根の水分吸収が円滑に行われていない場合, 蒸散が滞ってしまい, 葉温が急激に上昇します.

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葉温の光合成への影響

葉温の急激な上昇によって, 呼吸量が増えてしまい, 正味の光合成量の減少や, 光合成に関連する酵素の活性が抑制されてしまいます.

 

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その結果, さまざまな体内成分の分解が誘発されます. 最終的には, 葉が枯死することもあります.

葉温の上昇を抑える遮光の影響

高い気温が生育の制限要因になっている場合, 葉温の上昇を抑えるために遮光 (shading) が行われます. しかし遮光の結果, 光合成に適した光強度を確保できずに, 生育の停滞につながることがあります.

たとえばシクラメンは, 冷涼な環境を好み, 光合成の最適温度は 15 〜 20 度, 光飽和点は 800 μmol・m^(-2)・s^(-1) 程度です. 夏の関東地方の平地では, 最高気温が 35 ℃ 以上になることもあって, 気温がおもな生育制限要因になっています. 光による気温と葉温の上昇を抑えるために, 50 〜 75 % 程度の遮光が行われています. しかし, 遮光した場合の光は, 最大でも 400 μmol・m^(-2)・s^(-1) 程度になってしまい, シクラメンにとっては光強度が弱く, 生育が停滞してしまいます.

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