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植物の、配偶子形成・重複受精

[目次]

配偶子形成

減数分裂は動物では卵巣と精巣で起こります。

 

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しかし、高等植物では、花の子房の中にある胚珠、おしべの葯の中で起こります。葯の中で減数分裂を行うのは、複相の小胞子(花粉)母細胞 (pollen mother cell: PMC) と呼ばれる細胞です。減数分裂によって 4 個の単相細胞(小胞子) が作られます。小胞子はさらに、体細胞分裂して、雄原細胞と花粉管細胞からなる小配偶体になります。前者はもう一度分裂し、2 つの精細胞を作り、小配偶体は成熟して花粉粒(雄性配偶体)になります。一方、子房の内側にある胚珠の中で、複相の大胞子(胚のう)母細胞も減数分裂によって4個の単相細胞(大胞子)を作ります。しかし、そのうち 3 個が消失し、結果として 1 個の大胞子だけが残ります。その中の1つが卵すなわち雌性配偶子(大配偶子)になります。成熟した大配偶体(雌性配偶体)は胚のうとも呼ばれて、卵の両側には助細胞が、中央には 2 つの極核が、卵の反対側には 3 つの反足細胞が見られます。

重複受精

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(画像出典: 福井・向井・佐藤『植物の遺伝と育種 第2版』(朝倉書店、2013)

花粉が雌蕊の柱頭についたときを受粉と言います。実際の受精は受粉よりもあとに起こります。柱頭上で花粉が発芽し、花粉管が伸長して花柱をつらぬいて、珠孔から胚珠に入ります。2 つの精細胞だけが胚のうの中に入り、1 つは卵細胞と受精し、もう 1 つは 2 個の極核と融合して三倍体の細胞になります。前者は二倍体の植物胚として発生し、胞子体世代の植物になります。後者は何度も体細胞分裂を繰り返して、種子の栄養組織である胚乳になります。

イネ、コムギ、トウモロコシなどの、私たちが普段食べる穀物は、これら植物のデンプン質の胚乳です。

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