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日記系雑記ブログ: 農業、データサイエンス、自然

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花卉の種類・品種と名前

花卉の分類法は, その他の園芸作物と同様に, 類似性の基準をどこにおくかによってさまざまです.

※ 本記事は, 以下の記事の補足です. 

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自然分類

  • 植物分類学による分類
  • 進化系統, 形態の似ている程度によってグループ分けをおこなう分類法 ( 系統分類 )

自然分類と花卉の名前

和名

  • cf. キク. 日本語のキクは, キクの品種・系統のすべてを含む植物全体につけられた名前. このような名前を標準和名あるいは和名という

 

学名

  • 世界共通の名前として採用されているのが「学名」
  • 種類や所属を性格に表記する植物分類学上の名前であると同時に, 欧米では生産者・流通関係者のあいだでも広く使用されている ( だから学名は多く知っておくことが重要 )
  • 国際植物名明記役にもとづく二名法 ( ニ命名法 )によって表記される.
  • 二名法は, 属名と種小名の 2 つをラテン語で列記し, 最後に命名者の名を付記する
  • 栽培植物は, 属名と種小名に加え, 品種名の 3 つを連記する三名法がとられる
  • cf. コスモスの品種である「ベルサイユ」は,「種子植物門 - 双子葉植物綱 - キキョウ目 - キク科 - コスモス属 - ビピンナタス種 - ベルサイユ ( 栽培品種 )」したがって学名は Cosmos bipinnatus Cav. ‘Versailles'
  • 属名は, 最初は大文字とし, イタリック体で表記する
  • 種小名は, 小文字とし, イタリック体で表記する
  • 命名者名は, 姓だけを全綴りで角のが原則だが, 短縮または省略されることもある. cf. Antonio Jos’e Cavaniles → Cav.
  • 品種名は, ‘○○○’を用いる. 栽培品種 cultivar の略として cv. を用いることもある.

品種

  • 植物学と農学で意味が異なる
  • 植物学における「品種」・・・type 標本に対する「変種」,「亜種」. var. ( varaety ) や f. ( form )で表される
  • 農学における品種・・・人の役に立つ形態をもつ. 日本にでは, 農林水産省によって, 種苗法において, 各植物ごとに重要特性が決定されている. 種苗法に基づいて品種登録することで「品種」として認められ, たとえば新たな品種が登録されるとそれを親にした新品種を 15 年は開発してはならない.
  • 品種登録は, 国際的な取り決めのある制度もある.
  • 植物にとって有利というわけではなく, 人間にとって有利 ( cf.タネ無しなど )
  • 参考 URL:  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO083.htmlhttp://www.hinsyu.maff.go.jp/
種苗法における品種の定義
  • 日本国内または外国において公然と知られた他の品種と特性の全部または一部が明確に区別される ( 区別性 )
  • 同一の繁殖の段階に属する植物体のすべてが特性の全部において十分に類似していること ( 均一性 )
  • 繰り返し繁殖させたのちにおいても特性の全部が変化しないこと ( 安定性 )

同種異名 ( シノニム )

  • 同じ種で異なる名前. 分類はつねに同じとは限らない.

園芸分類

  • 園芸上の実用的な分類法
  • 栽培方法や環境など, おもに栽培上からみた生態的特性に, 利用目的を加味してグループ分けしたもの
  • かなり便宜的なものもある
  • cf.  花卉ではないが, 代表的なものとしてトウガラシ. もともと熱帯性の植物なので, 原産地では「多年草」. しかし日本で栽培する場合は, 冬に枯死するので「一年草
  • プリムラ マラコイデス, プリムラ オブコニカ, スターチス類などは, 原種は多年生草本植物であるが, 園芸的には耐寒性一年草として扱われる

##花卉の園芸的分類の例

その他の分類

  • 原産地の機構によって花卉を区分する分類
  • 斑入り植物・・・葉にいろいろまだら模様が入る
  • 高山植物・・・高山帯 ( 森林限界帯のうえにあり, 日本では中部地方 ( 北緯 36 ° ) の標高 2,500 m 以上の地帯を指す. 高緯度になるほど標高は下がる ) に自生する
  • 食虫植物・・・昆虫などをとらえて消化吸収しよう分の一部とする
  • 山野草・・・山地や野原い自生する
  • 地被植物 ( グラウンドカバープランツ )・・・美観作りのために利用される

球根類の種類

  • りん茎・・・茎が短縮し, 多肉化 ( 肉厚にあること ) した葉 ( りん葉, りん片ともいう ) が重なり, 球状になったもの
  • 球茎・・・短縮した茎がもとの部分で肥大して球状になり, 葉しょうの下部 ( 葉のつけ根の部分 )が皮膜となって, 何枚もの皮膜が球根を包んでいるもの. アヤメ科に多い.
  • 塊茎・・・球茎と同様に茎が塊状に肥大したもの. 皮膜に包まれていない
  • 根茎・・・地中に伸びる雨期が肥大したもの. 節には側芽がある
  • 塊根・・・根の部分が肥大したもの. ダリアが代表

 

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