行列を使って連立1次方程式を解くことができます。
同値な式の変形
はじめに、連立1次方程式の解を求める過程を、同値な式の変形ととらえます。どういうことかというと、逆の方向にもどれる変形のことです。
たとえば、以下の連立1次方程式ですが、
① + ② をすれば ③ になります。ですので、① + ② から ③ を導くことはできますが、③ から ① や ② を導くことはできません。これは同値な式の変形ではありません。
同値な式の変形とは、次のように、どちらかの式を残しておくことです。
この「同値な式の変形」から、連立 1 次方程式を解いてみましょう。ここで使用される変形をまとめると、以下の通りです。
Ⅰ. ある式を k 倍 (k ≠ 0) する
Ⅱ. ある式の他の式を k 倍して加える
Ⅲ. 式を入れ替える
同値な式の変形で連立 1 次方程式を解く
では、これに従って、解いていきましょう (式番号は、常に第 1 式を①、第 2 式を②とします)。
となります。
行列を使って連立一次方程式を解く
この変形を、行列を使って表すことができます。係数だけをとり出して、( ) でくくればよいだけです。
このようにして、連立 1 次方程式を行列を使って解くことができます.
行列の行基本変形
同値な式の変形を、行列ふうに言い換えると、行列の行基本変形といいます。まとめると次の通りです。
Ⅰ. ある行を k 倍 (k ≠ 0) する
Ⅱ. ある行に他の行を k 倍して加える
Ⅲ. 行を入れ替える
です。