大学の成績の評価基準は, 中学・高校の頃に比べて分かりにくい. 学生も, それを察知してか, 中学・高校の頃に比べて成績を重視しない者が多いのではないのでしょうか. 「単位さえとれればいい」という考え方の者もいます.
しかし大学の成績は重要です. たとえばコース配属や, 卒論の研究室配属においては成績が重視されることがあります. また, 就職活動においても, 大学の成績書を提出するようもとめる企業があります.
大学での成績評価
大学における成績評価の在り方というのは, たとえば GPA をどう運用するかなどなどの議論を含め, 非常にやっかいです. が, その辺の話題については今回は割愛します.
ともあれ, よっぽどのことがない限り, 大学の成績は良いに越したことはありません. 授業料免除があったりしますしね, 大学によっては. 狭き門ですが.
ではどうすれば大学で好成績を獲得できるのでしょうか. 学年が上がれば, つまり科目の内容が専門的になればなるほど, 成績の評価はさらに分かりにくくなります. ですので, 1, 2 年生のうちに好成績をとることが重要です. 1, 2 年生のうちの科目といえば, 教養科目です. 共通教育といわれる場合もありますが, このへんの区別を説明しようとすると大学史的な, 深い話題になるので端折ります. 以下, 本記事では, 教養科目に表現を統一します.
教養科目で好成績を獲るには
教養科目で好成績を獲るにはどうすればいいのか. 最も簡単なのは, その科目の担当教員が 1 名で, かつ, 成績基準を明示している場合です. たとえば, 授業が全 15 回だとして, 出席点が 1 点ずつ, 各回授業で行われる小テストの満点が 3 点 ( この時点で計 60 点 ), 期末テスト ( ないし期末レポート ) で満点なら 40 点, 合計 100 点満点, といった場合です. あるいは, 100 点満点期末テスト ( ないし期末レポート ) のみとか, 100 点満点の期末テストから欠席を減点するとかなどなど.
というふうに, 教員側が成績基準を明示している場合は, 好成績をとるための手順がはっきりしているので, それを目標に学べばよいだけです.
オムニバス形式の授業の対策
好成績を獲るのに最も困るのが, オムニバスの教養科目です. オムニバスの教養科目は, 1 つの授業を複数人の教員が担当しています. 当然, 授業の各回ごとに, 教員による評価の基準はバラバラです. 授業の最後に小テストをするケースもあれば, 出席しただけでその教員が担当した回は満点だというケースもあります.
小テストを実施したり, 出席するだけで得点がもらえる場合は, 非常にわかりやすい. このオムニバス形式の授業で困るのが, 授業の最後に小レポートを課すパターンです. 小レポートのテーマが設定されていれば, それほど困りません.「A における B という問題について授業内容を踏まえて論ぜよ」などといったテーマが設定されていれば, 授業をしっかり聞いていれば書くことができます. なお, 後に繰り返し述べますが, こうした授業各回ごとの小レポートは, 紙のサイズは様々ですが, その紙のサイズの 7 割以上は文字をうめましょう ( 少なくてもダメですし, 多ければいいというものではありません ).
「授業の感想」をどう書けばいいか
では小レポートのテーマが「授業の感想」の場合はどうすればよいでしょうか. この場合は多くの学生にとって困ると思います.「感じる想い」と書いて「感想」. 正直に書けば,「どうでもいい」としか書くしかない, 授業内容によっては. しかしそれではさすがにマズいので,「〜〜が知れて面白かった」「〜〜が分かって興味深かった」などと一言二言書く. これでは紙のサイズの半分も埋まりません. その回の授業の学生への評価はは, 担当教員にとっては不可です.
はっきり言って, 額面通り「授業の感想」という言葉を受け止めれば, 面白かった, 興味深かった, 分からなかった, つまらなかった, どうでもいい, と書けばいいんですが, それではダメ. ではどうすればいいか.
授業の感想を小レポートで書け, と言われた場合は, 「授業の要約」+「問題点」, そして時間が許せば「解決案」, というフォーマットで, 紙面の許す限り書きましょう.
問題点や解決案が思い浮かばなければ, 「授業の要約」+ 「特に 〜〜 が興味深かった」でもかまいません. なぜ「授業の要約」を書かなければいけないかと言うと, 教員に対する「授業を聞いていた」「内容に興味をもった」アピールになるからです. ただ「面白かった」だけでは, 本当に面白かったかどうかの説得力がありません. 授業を要約したうえで, 特にこの点が興味深かった, と小レポートで書けば, 多少なり教員の学生への評価は上がります. 単に「つまらなかった」ではなく, 授業の要約をしたうえで, 特にこの点に問題がある, と書けば, 教員も ( 単に「つまらなかった」と書かれるよりは ) 悪い気はしません.
「授業の感想」小レポートでは, 必ず「授業の要約」をし, そのうえで興味深かった点, あるいは問題点, そして問題点がある場合はできれば解決案を書きましょう.
もちろん, 授業は全て出席し, ノートをしっかりとることは大前提です.
「授業の感想」でいちばん書いてはいけないこと
それから, 授業の感想でいちばん書いてはいけないのは,「スライドが分かり難かった」「マイクの使い方が下手だった」などなど, 内容に関係しないことです. 確かに, スライドの見栄えやマイクの使い方は, 大人数を相手にしたスピーチなどなどにおいては非常に重要です. が, 大学教員が求めている感想は, そうした形式のところではなく内容についてです. 確かに, 字が細かすぎてまったく読めないスライドを延々とスクリーンに映し出して喋る教員もいます. 文句の 1 つも言いたくなる. 本来なら文句を言うべきですが, 好成績を獲得する, という目標の下では, ぐっとこらえ, 授業の内容についての感想を書きましょう.