8 月 29 日に高知大学で開催された, 農業施設学会のシンポジウムを聴講しました. シンポジウムの登壇者は 3 名. テーマはそれぞれ「次世代型こうち新施設園芸システム」「還元野菜プロジェクト 電解水素水の挑戦」「高知の特産, 土佐あかうしと柚子を結びつける」でした. 本記事では「高知の特産, 土佐あかうしと柚子を結びつける」について報告します. 報告っていうか「まとめ」みたいな感じですね.
1. 高知特有の愛玩動物
- 土佐錦
- 土佐闘犬
- 日本鶏 ( 17 品種中の 5 種 )
2. 土佐あかうし
www.kochi-marugoto.pref.kochi.lg.jp
2.1 土佐あかうしの概要
2.2 日本の肉牛の品種, および格付け
2.3 土佐あかうしの現状
- 県内肉牛生産農家の減少
- 飼養頭数の激減 ( 1800 頭. H27 )
- 最近の赤身肉嗜好によって需要が増加 ( 5 万円で売った牛が, 赤坂のレストランで 1 人前 9000 円 )
- 需要が増え, 枝肉価格が上昇
- 家畜伝染病の脅威
- 生産農家の激減
- 繁殖個体の肥育
- 遺伝的多様性の減少
3. 牛肉に付加価値をつける
- フルーツ魚にヒントを得て, 柚子を飼料に
- 柚子果皮による高知系褐毛和種の高付加価値化: 実証試験と作用機序の解明
- 柚子果皮の資料としての評価.
- 柚子果皮は粗飼料としての栄養価を満たす
- 嗜好性が良好でない
- 乳酸発酵しにくくサイレージ化が困難
- 豊富に含まれる機能性成分
- ウシ間葉系肝細胞を用いた分化能の評価
- 柚子果皮成分は脂肪細胞への分化を阻害しない
- 骨芽細胞の分化を促進する
4. 土佐あかうしへの給餌試験
- 2.5 %程度が効果的
- 増体には効果が認められない
- 血中コレステロール値が減少.
- 筋間脂肪中の不飽和脂肪酸割合が増え融点が低下 ( 口溶けの良い脂肪 )
- 枝肉価格 → 1 頭あたり 68000 円の増収
- 脂肪代謝に影響し, 食味を向上させる
- 夏期における柚子果皮の給餌は, ウシの生体機構を回復させ, 生産性および健全性を改善
- 飼料効率 5.3 % ( 無給与区 )→8.0 % ( ユズ給与区 )
- 骨格筋内の HSPA1A ( HSP70 ) の発現量が減. つまりストレス減
メタボローム解析
- 牛肉の新たな機能性探索や作用機序解明に効果的
- 一次・二次退社物の種類や濃度を網羅的に解析
- 代謝マップを作成することが出来る
牛肉への付加価値 〜 給餌試験まとめ
- 健康・環境・動物福祉を考慮した新たな和牛肉の価値を送出
- 高付加価値化, 国内外の牛肉との差別化が可能
- ただ, 現在, レストランは味が変わるので好んで使用しようとはしない
5. 商標登録「柚子だっこ」, クラウドファンディング
会場からの質問
- Q. 糞尿解析は行っているのか?
- A. 行っている. 糞尿の量は減少している. ( 微生物叢にも変化がある )