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日記系雑記ブログ: 農業、データサイエンス、自然

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育種学

育種素材の収集と保存: ジーンバンクとは?

新たな特性を持つ種苗を育成するためには、その特性について世代を経ても確実に伝わる差異 (遺伝変異) が必要です。このような遺伝子によって影響するのが育種素材です。 [目次] 種子の保存 ex situ conservation と in situ conservation コアコレクション …

コムギの起源

コムギの起源については、19世紀末から研究が始まりました。1944年には、木原均らがパンコムギの祖先を発見しました。 ここでは、小麦の起源について説明します。 [目次] トリティクム属とエギプロス属 コムギの倍数体 コムギの進化 野生種と栽培種 野生種 …

イネの起源

イネ、コムギ、トウモロコシ、オオムギなどの主要な食料は、私たちにエネルギー源として炭水化物を供給してくれますね。これらの植物はいずれもイネ科穀類です。長い年月をかけて、人類は、野生の動植物の狩猟採集という方法で食料獲得してきましたが、今か…

栽培植物の起源

栽培植物は、野生植物のように自然環境のもとで進化してきたのではなく、人類との関わり合いのもとで野生生物から進化した、と考えられています。 [目次] 栽培種の成立と特徴 ヒトと栽培植物の共生関係 一次作物、二次作物 栽培種の成立 栽培植物の起源中心 …

植物における、倍数化による進化

生物はふつう同じゲノムを2つ持っています。ただ、それより多くのゲノムを持つ生物も存在し、そのような生物個体を倍数体といいます。 倍数体は動物では稀です。しかし植物では非常に多く、被子植物のほぼ半数が倍数体とも言われています。 倍数性は植物の種…

植物における進化と種分化

新しい種はどのように生まれるのでしょうか。進化の要因とは。植物における種分化と進化について、簡単に解説します。 [目次] 新しい種の形成 系統進化 1 つの種から 2 つ以上の種 二次種分化 地理的な隔離と進化 植物と雑種 浸透交雑 進化の要因 突然変異 …

エピジェネティックな発現制御

街のお花屋さんでは、メリクロン培養した園芸植物、いわゆるクローン花が出回っています。ランなどの高級花もこのメリクロン培養で大量生産できるようになって、以前に比べれば購入しやすい価格になりました。店先に並べられた植物をよく見るとクローンにも…

遺伝子発現産物の解析

ここでは、遺伝子発現産物の解析について解説します。 [目次] 1. トランスクリプトーム解析 2. プロテオーム解析 3. 形を作る遺伝子: ABC モデル 1. トランスクリプトーム解析 トランスクリプトームとは、特定の条件のもとで組織や細胞における一次転写物で…

ゲノムプロジェクト

この記事では、イロイヌナズナ、イネ、マメ科植物における、そのゲノム解読の成果について紹介します。 [目次] シロイヌナズナゲノム解析 イネゲノム解析 マメ科ゲノム解析 シロイヌナズナゲノム解析 シロイヌナズナ(アラビドプシス) は、アブラナ科の一年草…

ゲノム分析の方法

ゲノム分析は、各植物間の類宴会芸や倍数性植物の由来を調べる手段です。主なものとしては、種間雑種の染色体対合に基づく細胞遺伝学的分析方法や、DNA レベルでの分子生物学的方法があります。 [目次] ゲノム分析の方法 DNAによるゲノム分析 ゲノム分析の方…

ゲノムの概念と、その大きさ

ゲノムとは、生物が生活していくのに必要な最小限の遺伝子を含む、1 組の染色体と定義されます。1920 年に H. Winkler が提唱しました。真核生物ではその種がもつ連鎖群の総数、すなわち、一倍体に含まれる染色体の総数で、DNA レベルでいえば、それら染色体…

染色体のかたちとはたらき

[目次] 核型 コヒーシンとコンデンシン 染色体にとって不可欠な 3 要素 動原体 テロメア DNAの複製起点 細胞分裂時以外の染色体 染色体テリトリー 核型 生物の染色体は、それぞれの種に固有の数や形態をもっています。このことを染色体の数と形態で表したも…

DNAから染色体へ

DNA にはいろいろな種類のタンパク質が結合しています。結果、DNA はより組織化した立体構造をしています。 DNA から染色体 [目次] ヒストン ヌクレオソーム ヘテロクロマチン ユークロマチンから選択的ヘテロクロマチンへ 構成的ヘテロクロマチン ヒストン …

染色体 DNA と植物

真核生物において、遺伝物質である DNA のほとんどは、細胞中の核内に存在します。 DNA の構造 細胞分裂の際に、各構造はいったん失われ、内容物の何本かの DNA は、それぞれその数だけ、染色体というひも状 (または棒状) の構造に形を変えます。 植物の体細…

遺伝子のはたらき: 複製・転写・翻訳

遺伝子の機能は何でしょうか。それは、 自己複製すること その情報を発現するために RNA を合成するための鋳型になること です。 DNA のもつ遺伝情報は、AGCT の4種類の配列によって決定され、細胞分裂ごとにコピーされ、親細胞から子細胞へと正確に伝えられ…

植物における遺伝子の構造と働き

[目次] 遺伝子とは何か 原核生物における遺伝子の構造 真核生物遺伝子の構造 遺伝子とは何か 遺伝物質は、自分と同じものを正確に自己複製する能力と、遺伝情報をほかの機能分子 (RNAやタンパク質) に伝達して形質を発現させる能力、どちらも備えていなけれ…

遺伝暗号の解読

DNA を構成する塩基は4種類 (アデニン (A)、シトシン (C)、グアニン (G)、チミン (T) )です (RNA では、チミンがウラシル (U) になります)。 塩基 これら塩基の並び方によってタンパク質のアミノ酸配列が決められています。もし4種類の塩基が、おのおの 1 個…

DNA の構造

1950年ころ、E. シャルガフはさまざま生物からとった DNA をその構成成分に分解し、アデニン (A)、シトシン (C)、グアニン (G)、チミン (T) の 4 種類の塩基の割合を精密に測定しました。シャルガフは、4 種類の塩基の割合は生物種によって違うが、同一生物…

遺伝をつかさどる物質

1866 年、メンデルが遺伝の法則の論文を発表しました。 www.xtraetc.xyz その 3 年後の1869 年、スイスの生化学者 F. ミーシャーが、膿から死んだ白血球細胞の核を集めてリンを多く含む物質を精製し、ヌクレインと名付けました。このヌクレインは現在、クロ…

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